電気グルーヴ - YELLOW

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)

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10th。
和製アシッド・ハウス。前作はタイトル通りの「J-POP」なアルバムだったが、この作品はフロアを意識した作り。先ほど和製アシッドと書いたが、まるで80年代後半から90年代初頭のシカゴ・アシッド、ハウスを意識したような曲ばかり。それにBaby Fordの「Ford Trax」みたいな独自の解釈をしているのだ。もっと日本寄りにするとSODOMの「King of House」的解釈。SODOMやBaby Fordがシカゴ・アシッド、ハウスを独自に解析、構築したのと同じに電気グルーヴはやってみせた。それでは初期電気と一緒では?という向きもあるだろうがそれとは明確に違う。90年代初期の電気はUKテクノ&トランス、そしてヒップホップを模倣していたので、今作のようなよりその(UKテクノ)ルーツに迫った作品はこれまでには無かった。それと、SODOMやBaby Fordと違うところもある。それは機材の進歩やこれまでの彼らの道のりから鑑みた、音の洗練さやポップスとの融合が高まっている点だ。特に「Acid House All Night Long」は、SODOMの「Acid Tommy」と同様に「ジャック〜」等のシカゴ・アシッドに聴かれる声ネタを自分達の声で表現しているが、両者の違う点はやはりこれまでの電気グルーヴの特性と機材の進歩等が相まっているところだろう。それが両者を全く違う位相に存在させる。
80年代後半のSODOMの「King of House」やBaby Fordの「Ford Trax」を思い起こさせると同時に強烈に今を感じさせるアルバム。アシッド!