Cedigest - Walking in the Flesh

Walking in the Flesh

Walking in the Flesh

イギリスのインダストリアル/ブラック・メタルユニットの1st。
おれは皮と骨だけになった腕の静脈をようやく探り当て、射つ。ああ、心地よい弛緩とともに首筋にとてつもない快感がやってきた……。彼の弛緩しきった身体はとろけて、人影のような黒いしみだけを残していった……。
中二病っぽい始まり方をしましたが、このアルバムはそんな雰囲気なんですねー。ダーク・エレクトロにブラック・メタルを取り入れるというスタイルはPsyclon Nineを思わせるが、Psyclon Nineはより覚醒作用の強い音、一方こちらはどんよりとした音。ミドルテンポの曲が多く、またPsyclon Nineよりもエレクトロニック度高目と言うこともあってか、最近のPsyclon NineというよりもGodfleshがダークエレクトロやっているような感じ。ミドルテンポで重いエレクトロニック・ボディ・ビートの上をうざいギターとひたすらどんより暗いシンセが絡み、エフェクトばりばりのヴォーカルが力なく喚いている。絶望感はないが身体は弛緩し気分は落ちていくのみ。この感覚が好きな人はハマルかも。
Psyclon Nineとは違った雰囲気でダークエレクトロとブラック・メタルの融合を示してくれた作品。Burroughsの「ジャンキー」や「裸のランチ」を読みながら聴くのがいいのかも。

自分のフォークの先に何があるかをみんなが直視する、あの凍り付いた一瞬。
Burroughs「裸のランチ」より。