Skinny Puppy - Handover

Handover

Handover

12th。
クリスマスにこのバンドを紹介するのは自分でもどうかしていると思うけど、いいのだこれが。クリスマスはお気に入りの声優さんのツイッターにてストーキングする童貞につき勘弁を。前作は妙にらしくない明るさや哀愁があった。それが自分には合わなくて、数回聴いて棚に眠らせている。しかし今作は違う。90年代初期の頃のようなぶっ壊れインダストリアルを実践しているのだ。勿論あの頃の勢いは無いし、近年のエレクトロニカを吸収した音作りになっている。年を重ねた大人な壊れ方と言おうか、リビドーに頼らないキレと静かな狂気が潜んでいる。特に最後のSPKがドリルンベースをやっているような曲は彼らしか作れないと思う。
前作の哀愁路線からこの変化。どこに原因があるのかと考えた。お、そういえばスキニーの音作りの要を握っているケヴィン・キーのユニットDownloadの「Fixer」を買ったまま寝かせておいたなぁ〜ちょっと聴いてみるかと再生。謎は解けた。そうこの「Fixer」があって「Handover」が生まれたのだ。オウテカSPKが競作したような壊れたインダストリアル・エレクトロニカ。だが過剰にならず音数を絞り込んでいる。ヒントは近くにあったのだ。
再び彼らにしか作れない、ぶっ壊れインダストリアルを作り上げた。まだまだこれからも期待できそうな作品。お薦め。