Clan of Xymox - Hidden Faces

Hidden Faces

Hidden Faces

オランダのダークウェイヴ/ゴスバンドの(Xymox時代を含めて)6作目。
前作までのハードコア・テクノ/レイヴ路線をさっぱりと捨てて、再びゴス/ダークウェイヴに戻った作品。1997年というポスト・インダストリアル、ビッグビート、ジャングルといった旋風吹き荒れる中、それらに背を向けた、なんとも時代性の無いアルバム。80年代的でもあるし、00年代のエレクトロリバイバル的でもある。このアルバムはメトロポリスから2010年に再発&デジタルリマスターされたものだが、やっと理解される時代に出たと思う。先にも書いたけど、流行に目配せをしないこの作品は当時どう目に映っただろう。無視されたのかもしれないが。
あまりにも素を見せすぎたものはつまらないものが多いが、この作品には当てはまらない。彼ら独特の空間に拡がるギターとシンセメロディ、どこか牧歌的で朴訥とした雰囲気。それらが時代とは関係なくある種超然として響いている。完成度では次作よりも素晴らしい。でも並列的な時代にぴったりした作品でもあるのは前にも書いたとおり。
彼らの素晴らしいところが素直にでた良作。時代を超えて聴かれるべき。お薦め。