Meat Beat Manifesto - Storm the Studio

Storm the Studio

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一応1st。いわくつきのアルバム。ここでは書かない。詳しいことは色んなとこに転がっているので調べて欲しい。
ノイズとヒップホップが結びつくと何が生まれるか?答えはエレクトロニック・ボディ・ミュージックだ。だからノイズ、ダブ、ヒップホップの3身合体を成功させたON-Uもボディである。
かようにこのアルバムはボディだ。90年代後半に入ってから、ビッグビートやデジタル・ロックの連中にオリジネーターとして祭り上げられたが、1stを聴いてこれは違うなと思った。銀星倶楽部でインタビュアーが「ラップ・ミュージック」と証したことに彼らは否定していた。圧倒的にインダストリアルの文法なのだ。ビッグビートにはノイズや工場音楽が無い。ビッグビートはハウスとロック、そしてヒップホップの融合という90年代初期のブレイクビーツテクノとなんら変わらない(機材の進歩で新しく聴こえただけ)。しかしMBMはノイバウテンSPKCabaret Voltaireといったインダストリアルのスタイルでヒップホップを作った。これはFront 242やON-Uと一緒だ。ボディの隆盛があって初めて成立&発表されるべき音楽。
1stから3rdまではインダストリアルの文法で作っていたのだが、3rd以降はテクノ/ハウス、アンビエントの範疇の音になってしまう(しかしこれはこれで良かった)。現在もダブステップ路線で再び3作の路線で作られることはないだろう。
今まで彼らの音を時代性を超越したものと考えていたが、最近になってボディを漁るようになってこれは80年代後半のボディの旋風があって生まれた音楽だと認識するようになった。ボディ好きは聴いとけ。お薦め。