Sister Machine Gun - Metropolis

Metropolis

Metropolis

後にニューヨークテクノの雄となるSteve StollやDie Warzauのメンバーがいたアメリカのインダストリアル・ロックバンドの4th。
1stの頃のNINを受け継いだインダストリアル・ロック。この人達の1stはまんまNINの「Pretty Hate Machine: 2010 Remaster」だった。1st以降も変わらず、しかし自分たちなりの音も出始めていて、90年代のインダストリアルとしては特異な部分も結構ある。
1997年というとポスト・インダストリアルが全盛の頃でこのアルバムも時流に乗っかている……わけでもなくアメリカン・ロックンロールな大味で添加物多めなNINを全編に亘って展開。結構暗めだったポスト・インダストリアル勢に比べ肩の力が抜けすぎている。Sigue Sigue SpatinikとNINが合体したようなと形容すればいいのか。インダストリアル・テクノ・ロックンロールといえばいいのかもしれない。しかし今作は前作のテクノビートを捨てブレイクビーツを多用していて同時期のKMFDMに近い側面もあるけど、メタルにならずにTVゲーム世代のエルビスプレスリーが腰振ってそうなアメリカンロックンロール。タランティーノの映画に使われたらいいのに。
インダストリアル・デジタル・ロックンロール。タランティーノの「キルビル」や「パルプフィクション」、そして「レザボアドッグス」に使われてもおかしくない添加物のたっぷり入った食べ物をどっちゃりと美味しく喰ってどうでもいい話題に話が弾む(「パルプフィクション」のヤクザ達の会話のシーンを思い浮かべて欲しい)アメリカ人が聴くロックンロール。というか自分はこの音楽を通して前述した映画群のシーンが目に浮かぶ。