Oomph! - Oomph!

Oomph!

Oomph!

ドイツのエレクトロ・インダストリアルバンドの1st。
その前にリリース元のMachineryというレーベルについて説明というか簡単な紹介文。
1989年にベルリンを拠点とする形でスタート。And One、Cubanate、Dance Or Die、Swamp Terrorists等など90年代を代表とするバンドを輩出。その後はDynamicaというサブレーベルを設立し、インダストリアル・メタル系のバンド音源を積極的にリリース。以上海外のWikiを読んで分かるとこだけ抜き出して紹介文を作りましたw勉強しないとだめやねー。だからあんまり本気で信じないでね。
さて内容に移ろう。しかしなんでレーベルの紹介をしたのかと言えば、このアルバム、正に80年代と90年代の分水嶺だと感じたからだ。聴いてみると分かると思うが、Nitzer Ebbを起とするEBMだ。だがよく聴きこむと80年代とは違う。明らかにトランスの影響が感じられるのだ。それとメタル。1988年の段階でインダストリアルとメタルの融合は済んでいたが、トランスはまだまだ登場前でその原型であるニュービートが隆盛を極めていた。そのニュービートがゴアやイビサに渡り、宗教的ともいえるゴシックや当時流行っていたドラッグ、LSDやMDMAに合ったエクスタシーでサイケデリックな曲調に変わっていった。そのトランスとボディが結びつくことで90年代のボディが生まれる。このブログ何回も書いてきたが、ニュービートはボディを祖とする。90年代に入ると、ボディは主にアメリカのオルタナティヴに、ニュービートはトランスに向かう。しかしここで第三の動きがある。90年代のFLAやクレオパトラの音源を聴くと分かるが、ボディから始まって別の方向に行ったニュービートを取り入れているのだ。電子音楽として死体になりかけていたボディはニュービートをトランスを取り入れて復活したのだ(この辺りの記述が日本ではあまりにも少ない)。
このアルバムはノイズやニューウェイヴというジャンルから逃げることが出来なかった80年代とは違う。ジャーマン・トランス、ゴス、トランスと結びついて肉体が希薄なジャンルに肉体性を取り戻しその後のダークエレクトロやフューチャー・ポップ、ダンス・ミュージック方面ではゴア、サイケデリック・トランスの下書きを書いて、90年代独自の路線を築き上げて行く。お薦めです。