Pigface - Fook

Gook

Gook

Public Image Ltd、Ministry、Killing Jokeなどでドラムを担当していたMartin Atkinsを中心としたインダストリアル・ロックプロジェクトの2nd。
このプロジェクトはマーティン以外は流動的で、アルバム毎にメンバーを変えている。しかもその時旬なアーティストを引っ張ってくるので名前だけで買う人も多数いると見られる。だが、そのブランドだけで買うと非常に残念な気持ちになることしばし。Ministryからポール・ベイカー、Nine Inch Nailsトレント・レズナーSkinny Puppyのニヴェック・オーガ、KMFDMのエヌ・エッシュ等を迎えて制作された1stの出来は散々たるもの。某サイトに書かれていた「インダストリアル系のスーパーバンドにあたり無し」という言葉に見事にハマった。
で2ndはどうかというとこれがいいのである。前作からの引継ぎゲストがいるものの、見事に噛みあっている。初期Killing Joke的な呪術的ビートの上をノイジーなギター、荒涼としたシンセ、ファンキーなベースライン、そして二ヴェック・オーガやFinitribeのクリス・コネリーがガナる。ひたすら退屈だった曲はどこにいってしまったのかと思うほど素晴らしい出来。初期Killing Jokeのカルト性と90年代のインダストリアルやノイズが合体してMurder Inc.を軽々と越えていった。
90年代のアルバムでは最高ランクに属するものだと思う。これは名前だけでも買ってよし。お薦め。