石川忠 Der Eisenrost - 東京フィスト

東京フィスト

東京フィスト

Z'EV、ノイバウテン、Test Dept.共にメタル・ジャンクを突き進む石川忠率いるDer Eisenrostが塚本監督の「東京フィスト」のバックを務めたサントラ盤。
どうやらDer Eisenrostとは石川忠がライブをやるためにバンドという構成をやってるみたいです(ライブ盤一枚しかだしていないこと&動画を観た限りでは)。
という訳で内容に入るとしましょう。さっきメタルジャンク一派と書きましたが、石川忠のそれはとても肉体、快楽といったものを表現しようとしている。それは「東京フィスト」で「ボクシング」を通じて肉体性を取り戻す塚本演じる主人公である。自分は「東京フィスト」で塚本監督は暴力や性を描きたかったのではなく、肉、筋肉を描きたかったのだと思う。しかし肉を描くには暴力や性衝動といった小道具が必要不可欠。その衝動をDer Eisenrostが補完している。芸術的、頭で考えすぎた80年代初期のメタルジャンクとは違い、80年代後期や90年代以降の本能的な表現に向かう。金属ビートは筋肉の躍動を素直に表現できるのだ。
主人公の「セックスしてんじゃねーよ!」等暴力的な台詞が耳に残った映画だったが、それは肉体を描き出すためのスパイス。筋肉の動きと金属音は同質なのだ。お薦め。