Pankow - Treue Hunde

Treue Hunde

Treue Hunde

イタリアのインダストリアルダンス/EBMグループの3rd。
今作にはプロデュース/エンジニアにエイドリアン・シャーウッドは参加しておらず、基本的にメンバーかイギリスのPKという人が手がけている。だからといって面白くなくなったかといえばそうでもない。彼らはシャーウッドの手を借りずともダブ的な加工処理を学んだようだ。金属質で歪んだビートは今作も健在。勿論シャーウッドが抜けたことで前作と明らかに違う点がある。それはハウスの導入だろう。イタロ・ハウスを思わせる享楽的で明るいメロディや四つ打ちビートがインダストリアルダンスをきらびやかな音楽に変える。といってもNew Orderのバーナード・サムナーみたくニューウェイヴ色のあるハウスの取り入れ方。なので同時期のシカゴやイギリスのハウスとはかなり違った趣を魅せる。全体的に初期Ministryをダブやインダストリアルにしたようなエレクトロ・ポップ。時代性の無いアルバムで90年代より2010年代に聴いたほうがいいのかもと思った。
これ以降の彼らは正直あんまりぱっとしない(入手したが全部売ってしまった)。これはトランスやテクノを取り入れて延命したFLAやクレオパトラ周辺のインダストリアルを見なかったせいではないだろうか。まぁーそういう音楽はイタリアまで届かなかったのかも。
享楽のイタロ・ハウスとインダストリアル・ダンスの融合。歪んだ金属質なビートの上をきらびやかで明るいメロディが時に疾走し時に絡み、すっとんきょうなヴォーカルがガナる。お薦め。