Scorn - Vae Solis

Vae Solis

Vae Solis

世界最速グラインドコア・パンクの雄Napalm Deathの脱退組みから成るデュオの1st。ちなみに現在はMick Harrisのソロとなっている模様。
同時期に始まっていたJustin Broadrick(この人も元ナパーム・デス)率いるGodfleshと差が無い打ち込みインダストリアル・メタル。世界最速バンドに属していたはずの彼らの殆どの曲がミドルテンポであり、速さを求めるインダストリアル・スラッシュリスナーには向かない。荒涼とした都市の澱んだ空気みたくドロドロとした塊が肌を舐めていく感覚といったらいいだろうか。また後期の彼らに見られるダブはまだまだ発展途上といったところ。ダブとしてはGodfleshの「Love & Hate in Dub」に近いかもしれない。まぁあそこまで過剰ではないが。極私的な観点から語らせてもらうと、Ministryの「Mind Is a Terrible Thing to Taste」に最も近い。あのアルバムからスラッシュ・メタルを引いてインダストリアル度とダブを強調したものだと自分は感じる。自我が希薄になり身体が沈んでゆく……バロウズが「裸のランチ」で描いたトリップ描写と被るような……。
まだまだ同時期のGodfleshを感じさせるとこは多々あるが、ダブ処理で異を示す。Ministry、Godflesh好きは聴いてみるといいかも。お薦め。