Kode 4 - Insane

Insane

Insane

アメリカのインダストリアル・ソロ・プロジェクトの2nd。
これは良盤。インダストリアルでもあるし、ハードコア・テクノ、ニュービート、そしてトランスでもある。スラッシュギターを取り入れてインダストリアル・メタルの味付けもあり、なかなか聴かせる。当時のエレクトロニック・ダンス・ミュージックの集大成的作品。でも圧倒的に支配するのはボディ・ミュージック。ブレイクビーツを取り入れる一方でNitzer Ebbの「Murderous」をサンプリングする。
がしかし同時期のアメリカのハードコア・テクノ(Mobyとかね)のあっけらんかとした明るさは全く無くダークなメロディで攻める。それはベルギーのデス・テクノと同期する。先ほどブレイクビーツを取り入れたと書いたがこの作品のそれは打ち込みで擬似的に魅せていて、イギリスのハードコア・テクノの生ドラムをサンプリングしてピッチをいじっているものとは違う。だから自分は聴ける(生ドラムをサンプリングするのだったらドラム叩けばいいじゃんと個人的に思う)。そしてこの味わいはボディ系のどのバンドにも当てはまらず、近しいところといえば前述したベルギー産のハードコアテクノとイギリス(?)のEONだ。あの決してハッピーではないダークなテクノ(余談だがEONも打ち込みでハードコアテクノをやってる)は正しくデステクノと呼ぶにふさわしい。
インダストリアル・ボディ・ミュージックを基調としながらデステクノ、トランスにも近ずく。これを聴けばその後のサイケデリックトランスやゴアが理解できるだろう。お勧め。