Laibach - Kapital

Kapital

Kapital

スロヴェニアのインダストリアル・グループの4th。
1989年から90年初期にかけてボディアーティスト達は路線を変更し始めた。ある者はメタルへやハウスへ、またある者は地下に潜伏し90年代の幕開けとともにトランスへと分化していった。このライバッハも多聞に漏れず路線変更し始めた。したがってこのアルバムは過渡期であり、90年代の幕開けとなるのかもしれない。冒頭数曲はメタル・パーカッションやハンマービート、そして強迫的なオーケストラレイションで攻める従来の彼らだが、後半に進むにつれてハウスビートやブレイクビーツが聴こえてくる様になり、ハードコア・テクノかと思うような曲が……。でも煽るようなオーケストラが終始聴こえて来るのでああライバッハと解るのだが……。ハウスの導入は上手くいってると思うが、ブレイクビーツ調の曲は全く面白くない。初期のジャングルのようにビートと上もののメロディとのミスマッチ感が酷くてなんとも気持ち悪い。でもそれは中盤だけで後半になるとハウスビートやエレクトロ・ビート調の打ち込み主体の曲でこれは素直にカッコいい(上ものとマッチしている)。で前半のメタルビート(実は金属音を取り入れるのは彼らとしてはこのアルバムが始めて)、後半のハウス&エレクトロビートだけのアルバムがもっと聴きたいなぁと次作はどうなっているのだろうと思ったらトランスでしたwそれはそれで傑作なのでいつかここでも取り上げるつもり。
様々なジャンルを取り入れたこのアルバムは冒頭に書いたとおり90年代の幕開けとなる過渡期的アルバム。が中盤の展開はいただけない(尤も彼らは理解したようで以降ブレイクビーツ調の曲は皆無に)が前半&後半は素晴らしい出来。お薦め。