Eisbrecher - Die Holle Muss Warten

Die Holle Muss Warten

Die Holle Muss Warten

ドイツのインダストリアル・メタルバンドの5th。
割合メタル寄りだった前作と比べエレクトロニックになってきた本アルバム。作を重ねるごとに王道的なメタルになっていったので、本作を聴く前は唯のメタルになってたらどうしようと思ったが、メトロポリスから出るアルバムに唯のメタルはないと信じて買った。でそれは当たった。前作の古臭いメタルなギターリフはなくなり、インダストリアルなギターリフに変更。だが前作の哀愁は相変わらずある。初期の冷たいインダストリアル・メタルはもう演らないようだ。
生ドラムと打ち込みビートの上を哀愁あるシンセ、ギター、シンセベースが緩やかに疾走し、ヴォーカルが泣きを入れた声で歌い上げる。生楽器のいいとこと電子楽器のいいとこを活かしたインダストリアル・メタルになっている。それは例えばラムシュタインの2ndにも似ている。ラムシュタインがそういう路線をとらなくなった現在では貴重というか、90年代を感じさせてくれる。またシスターズ・オブ・マーシーの曲をカバーしてルーツを見せたり、ダブステップ調の曲があるなど流行にも目配せしている。
哀愁を魅せながら再びエレクトロを取り入れた本作は初期のラムシュタインを思わせる。90年代的インダストリアル・メタルも見せつつ流行も取り入れた意欲的な作品。目新しさは無いけど初期ラムシュタインファンは必聴だ。