Skinny Puppy - Rabies

Rabies

Rabies

5th。
MinistryのAl(以下アル君)プロデュース作品。だが飲み込まれること無く彼らにしか作れないインダストリアル、インダストリアル・メタルを構築、前回Hiltの紹介でこのアルバムの続きのようなと評したが、このアルバムの方が完成度が高い(まぁ自分の聴いているのはリマスター盤なので音質によるところが大きい。Hiltの1stもリマスターしたら評価がひっくり返るかもw)。このアルバムから1996年のアルバムまでこの路線で進む。が、しかしアル君が関わっているせいか、彼らには異色なナンバー「Facist Jokitch」や「Tin Omen」等の超高速曲あり。スキニーといえばまるでヘロインのごとくダウナーで憂鬱な曲がばかりだが、この2曲にはそれがない。でも猟奇的なとこはあって彼らの曲だなぁと目隠しされても答えられる。また彼らにしてはストレートなインダストリアルであり、一部ではメタルパーカッションを使いMinistryを思わせたりするのはアル君の仕事と解る。猟奇的なイメージを崩さずより工業的にそして速くといったとこか。
あと紹介したいのが、このアルバムは後発のインダストリアル勢に大きく影響を与えているところだ。4曲目はソフト・バレエの「ニードル」に影響を、5曲目は00年代のダークエレクトロに多大な影響を与えている。ヴィジュアル的にもホラー映画の残虐描写にみで出来ているPV良くも悪くもその後のインダストリアルシーンのお手本となってしまったのは明らかだろう(それは有名なとこではマリリン・マンソンやNINだ)。
異色の作品として知られているが、インダストリアル度はどの作品よりも高めでかつその後のスキニーの下書きとなった作品。余談だが次のアルバムではこの異形のメタルをフルエレクトロニックで表現して最高傑作を作るのだ。お薦め。