Front 242 - Re: Boot

Re: Boot

Re: Boot

2ndライブアルバム。
90年代初期にインダストリアル・メタルを取り入れたアルバムを発表して以来、音沙汰の無かった彼らの再始動はライブアルバム。がしかし地上付近での新しいボディ・ミュージックの動きが見られなかったので過去の曲をアレンジして乗り切ろうとするなんともおかしなテンションで進む。90年代のトランスやゴスを取り入れたボディを聴いてこなかったのかよと言いたくもなりますが彼らにはこれが精一杯だってことが終わりまで聴く事により解る。とはいえ彼らの有名曲をクラフトワーク如き安定感で演奏して魅せるこのライブアルバムは若さだけでやっている初期の彼らとは全く違う。だから発表こそしなかったが、結構ギグを入れて周っていたのかもしれない。でベストライブの結果を出しましょうというのが90年代後半における彼らの姿だったのかもしれない。
先ほどトランスやゴスを取り入れなかったのかということを書いたが、このアルバムをよくよく聴くとTB-303などを大々的にフィーチャーしていて、80年代後半や90年代初期のライブとは大きく姿を変えている。ヨーロッパのハードミニマルアシッドテクノの影響はあるようだ。
再始動のアレンジはアシッドやハードミニマルを取り入れているが、まるでクラフトワーク如きの安定感はさすがベテランだ。当時は古臭いと感じたかもしれないが今聴くとオールドスクールなボディ・ミュージックの良さを知ることが出来る。Front 242初心者はこれから入るのがいいのかもしれない貴重なライブアルバム。お薦め。