THE STEALTH - Symphony For The Uprising

Symphony For The Uprising

Symphony For The Uprising

Myspace*1を覗いてみるとUK在住の日本人クリエイターによるプロジェクトの2nd。
1stを2008年に聴いた時「日本人にもエレクトロ・パンクを作る時代がきた」と感じていたのですが、その1年後に1st買って聴いたら凄く退屈であの時の音は幻聴だったのかもしれないと思った。なのでこの2ndにも期待はしていなかった。だがそれは杞憂だったようだ。前作の鈍臭さは消え、スピード感あり酩酊感ありの素晴らしいアルバムに仕上がっている。
それはマッドチェスター全盛期におけるStone Rosesように多幸感を感じるサイケデリック・ミュージック。どこかで聴いたことあるなと思ってたらそうだこれは90年代初期のマンチェスターサウンドなのだ。気もてらいもなくそして危険を顧みずにエクスタシーことMDMAを称揚してしまうマンチェバンド達。
しかしエクスタシーに酔いしれる時間はあまり多くなかった。覚せい剤やコカインによる混ぜ物によって毎日クラブで沸騰死という事故が多発し、その混ぜ物の効果により聴衆はより早くてダークな音楽を求め、ハードコアテクノやガバ、ジャングルといったジャンルが隆盛する。
本作はエレクトロながらまだラヴ&ピースが溢れていたセカンドサマーオブラヴの時期を再現。幸福でサイケでお花畑なエレクトロはMDMAを摂らなくても夢見心地。お薦め。