Preemptive Strike 0.1 - T.a.L.O.S.

T.a.L.O.S.

T.a.L.O.S.

ギリシャのDark-Electro/Hard EBMユニットの4th。
前作はハードEBMらしからぬ、フラメンコというかスパニッシュ・ギターが流れてきてなんとも意図が読めず不思議だったが、今作はそれを上まる大胆にも民族音楽階調なフレーズを多用して、全く意図不明。それなのにも関わらず、他のダーク・エレクトロ勢に共通する決めのカットは必ず押さえると言う素晴らしさにはもう言葉が出てこない。Funker VogtとJuno Reactorが一緒にスタジオに入ったらこうなるかもといった具合。自分はまだまだこの手のジャンルに疎いと思うので「新しい」という言葉はあんまり吐けないが、自分が聴くには(今作は)今年に入って出てきた、新しい音楽だ。でも新しいだけで失敗している音楽は無数に存在するけど、このアルバムにはそれがない。かなりアレンジに気を使っているのが見え、一発勝負ではない民族音楽とハードEBMの合流。この合流具合が素晴らしく例にJuno Reactorを挙げた。ジュノは2nd以降民族音階を大胆に取り入れ、しかも稚拙ではない非常に凝った編み上げでトランスと民族音楽を合体させていた。正に21世紀の民族音楽にしあげて、映画「マトリックス」にも使われサイバー民族トランスというイメージを作った。そのサイバー民族トランスというジャンルがこのアルバムには当てはまる。それとFunker VogtなハードEBMと結びついて、メトロポリスというレーベルから出て、暗黒音楽日記にも取り上げられるのだ。
自分はこの手の音楽にはまだ日が浅いので他にもこういうバンドが居るのかもしれないので、新しい音楽という言葉には慎重にならざる得ないけど、今年発売の音楽では聴いたことの無い音楽だった。ジュノとFunker Vogtが交差するボディ・ミュージックは素晴らしいの一言。間違いなく今年のベスト。お薦め。