Straftanz - Mainstream Sellout Overgroun

Mainstream Sellout Overgroun

Mainstream Sellout Overgroun

ドイツのインダストリアルバンドの2nd。
いきなりのフーバーシンセに驚かされる。全編に亘ってハードコア/レイヴのりで、今は90年代初期かと思わせる内容だが、何回か聴くうちにメトロポリスからリリースされたことが解った。それは後で書くが、最初ここまでフーバーを多用してくると遂にインダストリアル界隈でもハードコアテクノの流行がきたのかと思った。が、どこかでこの手の音に聴き覚えがあったようなと、このアルバムの紹介文を書くのを3ヶ月いや一年にわたって躊躇った。しかし、先日Kode 4のアルバムの紹介文を書いて思い出した。そうこれは90年代初頭のEBMやニュービートなのである。自分はこの頃の音源をリアルタイムで接してきたのではないので、勿論後追いだが、これだけは音を聴くだけでも解る。90年代初頭のFront Line Assembly(FLA)やニュービートを聴くと明らかにハードコアの音色、フーバーが入っている。80年代後期から90年代初頭のハードコアテクノ、アメリカのハードコア/レイヴにはブレイクビーツではなく打ち込みのボディ・ビートやメタルビートが鳴っていた。ブレイクビーツを取り入れてジャングルとラガテクノ呼ばれるのはXLレコードが出てきてからのように自分には聴こえる。
このアルバムは前述したようにフーバーに代表されるハードコアレイヴの音色を多用しながらも、90年代初期のFLAを思い起こさせるようなハードコアを吸収しメタルビートやボディビート、そしてエフェクトの効いただみ声で工業肉体電撃音楽を形作る。特に7曲目はT99をFront 242にリミックスさせたような曲で卒倒する。
EBM、ニュービートからハードコアテクノという流れの短い期間を再現したアルバム。この貴重なアルバムを買い逃すな!必聴。