Einsturzende Neubauten - 地震波上五

地震波上五

地震波上五

4th。
前作はダンス路線というかかなり初期の頃のハードノイズから脱却してポップでダンサブルなアルバムに仕上がっていた。今作もダンス路線ではないものの、聴きやすく割りとダンサブルな打ち込みビートと彼等の十八番メタルビートが盛り沢山。
話はアルバムから逸れるけど、自分的には「半分人間」辺りからの彼等が好き。マニア連中には初期の頃が多く語られがちだけど、初期はなんか頭のみで考えているというかさ、観念的すぎるんだな自分には。80年代後期のFront 242を挙げる自分としてシルベスター・スタローン風にいうと「この頭脳を持ち歩くために身体を鍛えているのさ」というとこでしょうか。やっぱ元テクノリスナーですから、頭でも考えるけど最終的には踊っちゃう(てか考えるほどの頭なし)。
でアルバムに話を戻そう。前作はプレEBMとも言えるような、メタルビートと打ち込みビートが踊らせられていましたが、今作はダンスは隠し味程度に抑えられ、くつろいだ雰囲気で聴いてもらおうとする作品。勿論メタルビートは全編に亘ってあるので油断&心配するな。
淡々と無機質なメタルビートと打ち込みビートの上をブルースやカントリーな朴訥としたメロディと時にブリクサが語り上げ、時に喚く。かように不気味だが不思議とくつろいだ気分になれ、仕事上がりに聴くと身体が弛緩する。
ダンサブルでポップながらも彼等の十八番はあり、またくつろぎをもたらす暖かな作品。仕事上がりや休日によし。おれによし。うんよし。