PIG - Praise the Lard

Praise the Lard

Praise the Lard

イギリスのインダストリアルアーティストの2nd。
1stではNitzer Ebbよりも上手くFoetusとインダストリアル・ボディ・ミュージックの交差していた。今作はそれを推し進め、さらにインダストリアル・メタルとの合体を果たした。サンバやジャズを取り入れるという師匠Foetus十八番を奪って、しれっとボディやインダストリアル・ロック化する彼は、当時のインダストリアル・シーン、例えばMinistryなんかには生まれないし、ましてやサイバーパンクなFront Line Assembly、そしてFront 242らの領域ではないだろう。インダストリアル・メタルの曲はKMFDMなんかは割りと近い感じはあるが、当時のKMFDMはON-U系をルーツとしていた。だからやっぱしFoetusとの比較がしっくり来る。先ほどジャズやサンバというジャンルが挙がったためインダストリアルから遠いと思う向きがあるだろうが、Foetusがインダストリアルの範疇以外で語ると違和感があるように、この作品もインダストリアルシーンからしか出てこない。それがなんなのか自分には説明できないが、石野卓球さんがFoetusを聴いた時、Tommi Stumpffを思い出したという話をもってきたらだいぶ理解できるのではないだろうか。
前作よりスケールアップしたこのアルバムはDAFの4thの成長具合と似ている。サンバやジャズを金属音やデジタルリフでインダストリアルに丸め込んで、Foetusを超えるインダストリアル・ボディ・ミュージックを披露。超がつくほどお薦め。