Einsturzende Neubauten - 嘘の館

嘘の館

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5th。
「半分人間」ともに並ぶ超傑作。ノイズ周辺の人達にはどう捉えられているのかは知らないが、ダンス/ポップス路線の彼等が好きなだけにこのアルバムはインダストリアル・ボディを語る上で外せない。
前作の延長線上的なものとはいえ、前作より曲の展開の面白さや完成度の高さは凄いとしかいいようのないアルバム。もしかして前作はこの準備段階であったのかもしれないと思わせる出来。PIGことレイモンド・ワッツが参加しているせいか同時期のフィータスを思い起こさせる、ジャンク・ボディ・ミュージック。「半分人間」でも完成されていなかったインダストリアル・ボディ・ミュージックがここにある。同時期のEBMを参考したりしているとこもあるが、80年代後半のキャバレー・ヴォルテールにもエイドリアン・シャーウッドにもミニストリーにも作れない孤高のアルバム。初期のノイズ的音響&観念的な音楽も影を潜め、ダンスやポップスに費やしている。
このアルバムこそ真のインダストリアル・ボディだと思う。やっぱり頭でっかちなノイズ音楽よりも肉体にくる音楽(つまりエレクトロニック・ボディ・ミュージック)の方が自分にはあってる。まぁオレは頭が足りないからな、難しいコンセプトなんて理解できないよ。あ、でもちゃんとメタル・パーカッションはあるので心配するなというか前作よりもカキンコキン鳴ってます。
「半分人間」で魅せたボディはここにきて完成した。80年代の彼等の傑作であり到達点がここにある。超お薦め。