島みやえい子 - O

1st。
オーヴァーグランドでは「ひぐらしのなく頃に」(以下ひぐらし)で話題になった盤。自分もそれ目当てで買った。この曲は凄すぎた、まるでJuno ReactorFront 242を思わすEBM系のベースラインに驚いた。この時期から自分はI'veに目が向かう。
でこのアルバムだ。「ひぐらし」のようなインダストリアル・ボディ系の曲が満載だと思いきや、アンビエントなシンセ・ポップがずらり。リアルタイムで聴いた時はしっくりこなかった。全くあてが外れたというか期待はずれだった。だから買って6年間も放っていた。しかし、今年に入って何の気なしに聴いてみたら、これは自分がバカだったのではないのだろうかと思い始めた。このアルバムの本筋は「ひぐらし」ではなく、他のアンビエント・シンセ・ポップにある。まるで和製デレリアムといえばいいのだろうか。デレリアムといえば世界的に有名なアンビエント・ポップの雄だが、彼等の音楽性に近い。
ダウンテンポな打ち込みビートの上を今の時期にぴったりな清涼感のあり日本的なメロディのシンセやギターが流れていき、そして島みやセンセのコブシのある優しげな歌声が鳴る。島みやセンセの声にはオリジナリティが在り過ぎる(目隠ししててもわかるほどの個性)。その歌声は勿論だが、それを活かすサウンドアレンジは素晴らしいの一言だ。島みやセンセに一番合うのはインダストリアル・ボディではなく日本的なコードを持つトリップホップアンビエント・シンセ・ポップなのだというだ。
ひぐらし」も素晴らしいが他の日本的なコード展開を持つ和製デレリアムと言えばしっくりくる爽やかなシンセ・ポップこそ島みやセンセの歌声を活かす曲だ。ここでは触れなかったが2ndはこれを超える傑作。とりあえず超お薦め。