DAF - Fur Immer

Fur Immer (Reis)

Fur Immer (Reis)

5th。
漢3部作の最終作。ということは最高点のテンションで終わると見せかけて、なんとも落ち着いたテンションで終わる。当時はこれで終わるなんて思ってなかったのかも。だってこのアルバムを最後に第一期のDAFは終了するのだから。
しかしシンセ・ベースのアシッド感はこのあるばむでも健在だ。このアシッド感が後のNitzer EbbやMinistryに繋がっていく。当時のイギリスや日本のニューウェイヴには存在しなかったアシッド感は貴重だ。まだまだシンセが珍しかった80年代において、シンセをいかにもシンセサイザーですよ〜電子音楽ですよ〜ちよちゃんですよ〜(あれw)という使い方が多かったのにDAFはシンセを極大に活用した。それも「ロックじゃなければなんでもいい」ニューウェイヴにおいての縦ノリパンク・ロックに使った。ディストーションギターのようなシンセの音色はリアルタイムではないとはいえ(自分は高校生になったばかりの2000年にこのアルバムを聴いた)衝撃だった。シンセの音色は未だに文章化出来ないでいるが、パンクでありながらどこか90年代のドイツから出てきていたハード・ミニマルを思い起こさずにはいられなかった。
でアルバムの方なのだけど3rdと4thの中間といった感じかも。4thがあまりにもブチキレていた反動かもしれないが、3rdの素っ頓狂なノリが復活しているというか。ブチキレのなかにもユーモアがあるというか……。ということでほどよくアシッドになってる。前作を期待する向きには残念かもしれないけど、ほどよくテンションを挙げたい時には便利でしょう。これを前菜にハードなEBMやテクノを聴く時にはいいかもしれない。
漢3部作の最終作は3rdと4thの中間だ。漢には帰るべき場所はない……彷徨うのだカンフー映画の主人公のように……。超お薦め。