Insekt - Stress

Stress

Stress

ベルギーEBMバンドの2nd。
やーこれは90年代EBMの芽生えを感じさせるアルバム。Front 242を下敷きにしつつも90年代のFront Line Assemblyのトランスを取り入れている。80年代後半のEBMがニューウェイヴの最終形態であったが、このアルバムはZoth Ommogやクレオパトラからでてくる後のゴアやサイケデリックトランスに直結するEBMだ。結構80年代後半の正統派(あるのかそんなもの?)ボディとして捉えられているこのアルバムだが、トランスを吸収しきった現在のボディを聴くと明らかに外れている。Front 242みたいにギターサンプリングを多用するので、その方向(正統派EBM)で語るのは90年代初期では間違っていないと思うが、先ほど書いた現在のEBMを聴く限りでは90年代のEBMの幕開け的な音に自分は感じる。やっぱベルギーだからニュービートっぽいから余計にそう感じるのかもしれない。同郷のVomito Negroの暗さをそのままにより重くしたような……。う〜んやっぱこの時期(90年代初期)のベルギー産のEBMやニュービートは色々考察できるので面白いね。
重みのあるエレクトロニック・ボディ・ビートの上をゴシカルかつダークなシンセやギターサンプリングが絡み、そしてエフェクトを過剰にかけたヴォイスが吼える。
80年代を引きづりつつも、トランスを取り入れ後の90年代ボディ・ミュージックを作り上げている。入手は困難だが、(自分はブックオフで発見したが)足げく中古盤屋に通えば捨て値コーナーで見つかることだろう。お薦め。