Depeche Mode - Some Great Reward

Some Great Reward (Bonus Dvd)

Some Great Reward (Bonus Dvd)

4th。
前作からの続き。金属殴打音や金属摩擦音を取り入れてインダストリアルの幕開けとなった3rd。今作はそれを推し進めより深め、より聴き易くした。メタルジャンクのパイオニア、ノイバウテンがどれだけ革新的だったのか、自分がまだ生きていない1980年代初期の空気は知らない。だが今は21世紀、Youtubeで断片的だが知ることが出来た。鉄くずをステージそこかしこに並べ激しく叩きまくる。その上をブリクサ・バーゲルトがノイジーなギターとジャーマンヴォイスを撒き散らす。そのダイナミズムなステージはロックじゃないのに強烈なロックを感じる。
さて内容に移ろう。このアルバムはノイバウテンのダイナミズムとデペッシュが持つ耽美が恐ろしいまでに融合している。いやノイバウテンだって耽美性はある。端正な顔立ちかつレザーという黒を基調としたブリクサの妖しさに80年代の(特に日本の)婦女子はメロメロでアイドル的人気だった。またそれたwまぁこのアルバムは黒、鎖、エロス(いささかゲイ的な)という80年代のデペッシュのイメージを作り上げた作品だろう。メタルパーカッションと打ち込みビート上を妖しげなメロディ絡み、そして耽美かつバリトンの効いたデイヴ・ガーンが歌い上げる。初めて聴いた時は鳥肌がたった。1stの高校生がはしゃいでいるような可愛らしいエレクトロ・ポップしか聴いてなかったので、こういう音楽も出来るのかと驚いた。これが日本ではどう捉えられていたのだろうか、自分の乏しい情報から観るとまだまだアイドル的に捉えられていたようだ。80年代中期の来日ライブでは9割が女性で黄色い声が飛び交っていたそう。まぁあれだけイケメン揃いだしねぇ仕方ないか。
あと最後にEBM方面の影響もかいて終わらそう。ツィッターでサイトーさんが「Nitzer Ebbと区別がつかなかった」という発言にあるようにこのアルバムは後のEBMに影響を与えている。多分DAFとかもコンポーザーのマーティン・ゴア、アランワイルダーは聴いてきたのだろう、3rdには無かったロック的な性急かつ肉感的なビートの曲がちらほら聴ける。そこにメタル・パーカッションだ。サイトーさんがニッツアーと区別が付かないのも解る。また12inchでエイドリアン・シャーウッドをリミキサーに抜擢したのも80年代後半のミニストリーやパンコウ、KMFDMに影響を与えただろう。というかON-Uで一躍有名になったけど、基地外みたいな音楽を作っていたエイドリアンに頼むかね。アイドルなんだからさ。