Melt - Emissions of Hypocrisy

Emissions of Hypocrisy

Emissions of Hypocrisy

Komor Kommando、Icon Of Coilで活動しているSebastian Komor率いるインダストリアル・メタルバンドの1st。
2年前にアマゾンで購入したが包装されたまま放っておいたがなんのきなしに聴いたら凄かったので紹介。
Komor KommandoではハードなEBMを展開していたが、このバンドではスラッシュ・ギターを大々的かつ前面に出している。しかしなんというか完成度が高いというか、インダストリアル系の人達はメタルをやらせてもある一定の点数は稼ぎ出しますね。テクノ系のアーティストがロックに手を出すとそれが面白くなるまで2作ぐらいはかかるのに。
まぁでもメタルといってもテクノロジーを駆使したメタルになるわけだが、その方向での頂点たるKMFDMとはちょっと違うし、最近のブラック・メタルとダークエレクトロを融合させたサイクロン9とも違う。90年代のFront Line Assemmbly(以下:FLA)に近い。FLAの「Hard Wired」と「Millenium」を思い出して欲しい。でそこにミニストリーの「Mind Is a Terrible Thing to Taste」な無機質かつダークなハイスピード・インダストリアル・メタルが挟み込んでくるというか……。でも流石に解りやすいミニストリーの「詩篇69」までは行かない感じ。いやーKomor Kommandoで昨今のサイバーパンクEBMノイバウテンを思い起こさせるようなメタル・パーカッションを違和感なく入れた人のやることは違うし凄いなと。だって先に書いた、暗黒インダストリアル・メタル期のミニストリーとFLAの融合なんて聴いたことがなかったから。
なんで今まで放っておいたのか自分の頭を疑いたくなる出来。予約してまで買ったのに……。2011年に聴いていたら、その年のベスト入りは確実なアルバムだった。インダストリアル・メタル期のFLAや90年代前半のミニストリー好き、そして最近のアルファ・マトリックスから出てくるEBM好きは必聴。