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Legend - Fearless

Fearless

Fearless

Esjaというアイスランドのカントリーバンドのメンバーによるサイドプロジェクトの1st。
これは凄いです。ネットを読んでいるとデペッシュ・モードの様なシンセ・ポップなどと書いているが、それは上澄みだけで、よくよく掘り下げて聴いていくと別の側面が見えてくる。その側面とは音楽ではなく映画、それもルチオ・フルチの「ビヨンド」が見えてくる。久しぶりに音楽を聴いていて映像が浮かんだ作品。
ルチオ・フルチの「ビヨンド」といえば、このブログでホラー映画を見ない向きに説明すると(自分もそんなに熱心に映画を観るほうではないが)、70年代後半に起きたジョージ・ロメオの「ゾンビ」のヒットから生まれたような映画で、もろゾンビインスパイアの「サンゲリア」に続く映画。また80年代のスプラッターものに乗っかった作品でもある(この辺あまり詳しくないので間違ってるかもしれない。突っ込まないで優しくしてw)。しかしこの「ビヨンド」、凡百のゾンビ映画とは一線を画する。物語を紹介すれば、あるホテルの一室の封印が解け、それは地獄に繋がる門であり、その一室から地獄が溢れようとしていた……。そこに引っ越して来てホテル業を始めようとするヒロイン達は様々な怪異現象に見舞われ、果てにヒロインは黄泉の国の住人となってしまう。まぁそんな風が吹けば桶屋が儲かる的なホラー映画だ。これで解ると思うが、説明したラストの展開はグロイだけのスプラッター映画からは生まれない幻想的というか夢のようなものだと思う。
アルバムの紹介に話を戻すと、このアルバムを聴いているとまるで「ビヨンド」のヒロイン達が黄泉の国の住人なったラスト辺りの展開が見えてくるのだ。物語の前半から死と生の境目が曖昧なシーンがままカットインしてくるが、ラストでその表現が絶頂を迎える。生と死(現実と夢と言い換えてもいいだろう)の境目が曖昧になってきて、死(=夢)の比率が増してきて……。で映画を観終わると、夢から覚めてたようにすーっと現実に帰ってくる。明らかに字面ではバッドエンドだが不思議と心地よい夢のような感じだ。脚本、映像の美しさ、俳優の演技、音楽で全くバッドではない表現に昇華している(少なくとも自分はそう感じた)。
久しぶりに映像が見えてくる音楽を聴いた。自分の頭が悪すぎる所為で「ビヨンド」のラストシーンの素晴らしさとこのアルバムに繋がるものを上手く表現できなかったが、ツタヤなどで借りて観たりすれば、この紹介文の意味が解ると思う。お薦め。