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Pankow - Gisela

Gisela

Gisela

イタリアのEBMグループの2nd。
超傑作。前作の延長線上ながら、1stを超える楽曲が満載。ミニストリーの2ndとタックヘッド、そしてニッツアー・エブをさらりと融合させた、エレクトロニック・ボディ・ミュージックとしか形容のできない音楽。まさにこのアルバム「This is electronic body music」というポップ付きで面出しされていても可笑しくない。ミニストリーがインダストリアル・メタルになったため捨てたエイドリアン・シャーウッドを拾い、ミニストリーの2ndの残りを作り上げた1st。しかしこのアルバムはそこで終わるものなんかではない。DAFから始まった80年代EBMの最終形態がここにあると思う。と同時にこのアルバムは(80年代の)EBMの終わりを示している。そのことを一番知っているのは中の人達だろう、だからこの後はエイドリアン・シャーウッドを起用せず、ハウスを取り入れたEBMから離れたエレクトロ・ポップスな作品を作った。またこのアルバムは1989年発表だが、そのこともまたEBMの終わりを伝えている。だってそれはNine Inch Nailsの1stが発表された年だからだ。NINの1stはプロデューサーに前述のエイドリアン・シャーウッド、ジョン・フライヤー、キース・ルブラン、ミニストリーのアル君を迎えて作られた80年代後半のEBMの総決算だった。そのNINの1stは売れに売れて、大多数の人は「やっとEBMもメジャーになった」という考えだったようだが(日本盤NINの1stの解説文を読んで欲しい)、アル君が「NINなんてポップバンドだぜ」という発言にあるように既にEBMが普通のロックになっていることを解らせてくれた。まぁそれはポップスとして聴くことができる成熟したEBMという捉え方もできる。その熟したEBMというのがPankowの2ndであり、またNINの1stでもある。かようにアル君のNIN評を裏付けるようにEBMは他のジャンルに吸収され雲散し、Wax Trax!は会社更生法(みたいなものらしい。らしいとはあんまりその辺に詳しくないので)を喰らい倒産しメジャーレーベルの傘下(TVT)になってEBMは衰退していく。しかしここまでの話で勘違いして欲しくないが今までの文章はあくまでも80年代のEBMである。90年代以降のEBMはFLAを中心として進化していく。その辺はあんまり日本語で書かれた文章などが少ないのであんまり語れないというか今後注目すべきところだと思う。
80年代後半のEBMの最後の瞬きが見られるアルバム。Front 242の「フロント・バイ・フロント」と共にWax Trax!の名盤だろう。お薦め。