Einstuerzende Neubauten - 1/2 Mensch

1/2 Mensch

1/2 Mensch

ドイツのインダストリアルバンドの3rd。
前作のロック路線を更に深化させて、後のEBMの元になった作品の一枚だと自分は思っている。レーベルメイトのデペッシュ・モードが3rdで見せたような露骨なノイバウテンからの引用(主に金属打撃音)を彼はサンプリングマシンを使わずに引用して見せた。しかしこの作品を聴くと、デペッシュが盗ったの盗らないという話では無く、互いに刺激をしあっていたのではないかという考えも浮かんだ。それが最も表れているのが、エイドリアン・シャーウッドの起用ではないだろうか。デペッシュ・モードは4thからのシングル曲のリミックスをエイドリアン・シャーウッドに頼んだ。ウィリアム・S・バロウズが文章やテープでやったことのようにカットし繋げ、ダブ加工をして原曲を破壊。今でこそ、原曲をずたずたにするようなリミックスは珍しくはないが、当時はまだ原曲をアップテンポにしたり伸ばしたりということに留まっていたので衝撃だったらしい。事実はどうかしらないが、ブリクサやFMアインハイトはこのエイドリアンによるデペッシュのリミックスを聴いて起用に至ったのではないだろうか。
さて内容に移ろうと思う。自分はこの作品を80年代後半のEBMの元になったものだと思う。前作まではまだノイズ主体で頭で考えたような曲が多かったが、今作は肉体重視なロック。前作のロック部分を更に推し進めた。汗と金属、重油が混ざりエレクトロニック・ボディ・ミュージックが産まれる。やっぱりメタル・パーカッションはロックでありEBMだということをこの作品を聴いて今更ながら理解。あとこのアルバムを更に面白くするためには石井聰亙監督(この監督作品「逆噴射家族」「狂い咲きサンダーロード」「五条霊戦記」は必見!)のアルバムタイトルと同じ映像作品を観ることだと思う。
メタル・パーカッションで構築されたロックンロール、それがEBM。心臓が金属音をたてた……。

これを観て、今までイケメンのブリクサさんをアイドル視してキャーキャーいってた日本ゴス娘達が蜘蛛の子を散らすようにいなくなったそうですw