Birmingham 6 - Error of Judgement

Error of Judgement

Error of Judgement

デンマークのエレクトロ・インダストリアル/EBMグループの3rd。
KMFDM+Front 242=Birmingham 6といった簡単な式で表すことが出来るアルバム。ヴォーカルにFront 242のジャン・リュック・ディマイヤーをフィーチャー。先の式で簡単に紹介したけど、このグループの音も90年代のZoth Ommogらしくトランスが隠し味として混入している。そう書くとこれはFront 242の90年代におけるラストアルバム「06:21:03:11 Up Evil」をトータル・エクリプスがリミックスしたようなものなのかもしれない。今トータル・エクリプスを例に挙げたが、メタルとトランスを融合させるということならば、ことサイケデリック・トランスの領域が進んでいるイメージがあるだろう。ジュノ・リアクターやサン・プロジェクト辺りが主だ。しかし、そのトランスとメタルの融合領域、Birmingham 6始めとする、Zoth Ommogやクレオパトラの連中が既に90年代前半頃演っていた。なんか解りにくい文章になってしまったかもしれないが、なんでこんなことを書いたのかというと、サイケデリック・トランスのルーツはEBMやインダストリアル・メタルであるという自分の常日頃の持説の強度を補強したかったからだ。あとなんでEBMがサイケトランスのルーツだと思うようになったのかは、ジャニスで借りたFront 242のEP「Still & Raw」の帯に「多くのEBMバンドは90年代後半になるとサイケデリック・トランスに転向していった」という件からだ。
Front 242の「06:21:03:11 Up Evil」にサイケトランス風味を加えたこのアルバムは極めて90年代(とくにヨーロッパ方面)のインダストリアル・メタルだ。日本語で読めるいくつかの紹介文は「KMFDMのようだ」と書いているが、自分にはKMFDMというよりもジュノ・リアクターやZoth Ommogやクレオパトラと比較したくなる。EBM/インダストリアル・メタルからサイケデリック・トランスの直接的な橋渡しのようなアルバム。90年代のフロント242やジュノ好きは必聴だ。