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Alter Ego - Transphormer

Transphormer

Transphormer

ドイツのテクノ系プロデューサー2人組みの3rd。
ちょっと古いけど、昨今のアシッドEBM系における音使いのルーツはここにあるのではないかと思ったので紹介。
この作品は革命的だったと言わざる得ない1枚。当時の流行がニューロマンティックかつメロ〜なエレクトロ・クラッシュ系だった。そこにカウンターでこのアルバムの1曲目が大ヒットした。粗雑なエレクトロビートの上を後にブーステッドベースと呼ばれるビリビリ(ノット御坂 美琴)増幅&ドライブするベースライン、ノイジーなメロディ(といえるのだろうか)……。全くヒットする構成でないのにもかかわらず大ヒットした。しかしこの頃は80年代風エレクトロハウス系やBPMが落ちた静かなミニマルテクノが流行っていてハードなエレクトロ/テクノに飢えていた頃だ。そういう風潮だったので受け入れられたのだろう。がこの作品の凄いとこは当時よりその後のシーンを変えてしまった点にある。一曲目の「ロッカー」で類似品ともいえるエレクトロが雨後の筍のように現われ、エレクトロ・パンクと呼ばれるジャンルを作ってしまう。後に登場したフランスのジャスティスやヴィタリックが最たるものだろう。
とここまではテクノシーンよりの紹介文を書いたが、ヨーロッパのEBMやダークエレクトロにも3年遅れて影響が現れ始めた。主なバンドはブラック・ストロボやMotorだろうし、レーベルでいうとアルファ・マトリックスだろう。特にMotorは90年代にインダストリアルバンドを演っていて、しかもMotorの出現はこの作品の一年後であり、彼等はオルター・イーゴにそうとう影響を受けたと思っている。この作品をテクノ側はメロディのアシッド感に魅せられたが、EBM側はベースラインに魅せられた。よくよく聴いてみるとこのベースラインはDAFだ!ディストーションをかけたようなシンセベースはDAFが最初だ。インダストリアルの連中はそこ(ベースライン)に注目し80年代後半のEBM+ハードミニマルなインダストリアルを作ったのだ。
今聴くとFLAの「Artificial Soldier」からヴォーカルを抜いたように聴こえるこのアルバムは00年〜10年代のEBMのルーツとなったと考えてもおかしくないだろう。今なら安価(ブックオフの500円か250円コーナーとか)で買える。中古レコード店に足げく通って欲しい。お薦め。