The Birthday Massacre - Walking With Strangers

Walking With Strangers

Walking With Strangers

カナダのシンセ・ロック/ゴシック・インダストリアル・メタルバンドの2nd。
最近また復活した渋谷タワーレコードのゴス/インダストリアルコーナーで大々的に売り出されていたアルバム。でもそんな売り方をしたくなるのが解る程素晴らしいアルバム。自分は当時まだインダストリアルを聴き始めて1〜2年ぐらいだったが、これには本当にハマってよく聴いた。それは今でも変わらず、頻繁に引っ張り出す。だから紹介文を書いてみようかと思った次第。
2007年当時最初に聴いた時思ったのが、ボーズ・オブ・カナダEBMやメタルを演奏したら、こうなるのかもという衝撃だった。それまでにも越境的な音楽を聴いてきて、もう一通りは見てきたかなと感じてきた時にこれだ。いよいよ音楽というものは(消費者風情でも)まだまだ底が見えないと楽しかった。
ボーズ・オブ・カナダの繊細かつ透き通るようなシンセ・メロディと轟音ギターノイズがお互いを消しあうことなく共存する。ハードロック的なシーケンスも良い。それは以前、細野センセのラジオで聴いた「以前は溶け合うことの無かった感情が溶け合っている音楽に出会うことが多くなった」という00年代のフォークトロニカ(aka四畳半エレクトロニカ)勢を評して語ったことと似ている気がする。
また最近聴きなおして、新たに気が付いたこともある。それは80年代後半のキュアやザイモックス等のネオサイケやゴスだ。あの叙情的、哀愁かつ陰気な側面を受け継いでいる。80年代後半のキュアやザイモックスをインダストリアル・メタルとしたものとして捉えてもいいのかもしれない。
お薦め。