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Terrorvision

Terrorvision

アメリカのEBMデュオの1st。
ちょっと涼しくなったかと思えば、またぶり返す夏の気候。なので陰気かつ漢臭漂うEBMはキツイ。そこで何の気なしに聴き直してみたら、あまりの爽やかさにこれは今の季節にぴったりなのでは?と思い紹介に至った。
これはネットワークというカナダのレーベルから出ているのだが、このレーベルといえばスキニー・パピーという暗黒インダストリアルを輩出したところ。そんなレーベルから全き爽やかボディが出てくるとは?という驚く向きもいるのかもしれない(というかオレ)。しかし、このレーベルのカタログを見るとMoev、Single Gun Theory等ゴシックだが緩めのエレクトロ・ポップスが主だったりする。で90年代に入るとデレリアムを出したりして、アンビエントやトランス方向に進む。最近ではレディトロンとか出しているようだ。だからスキニーの方がこのレーベルにおいて異端だったりする。
アルバムの紹介に行こう。パンコウとFront 242が交差するとき……(科学と魔術が交差するとき……)という表現がぴったりだと思った。Frontのアーミースタイルとパンコウの朴訥かつ陽性な雰囲気が面白くもマッチする。あと乾いているとこが今の季節にぴったり。メロディもヴォーカルもビートも湿気がなくていい。
夏かつ真っ青な空で日差しがきついため30度を超えるが、湿気がないのですごしやすい、しかも時折涼しげな風が吹いてくる。このアルバムはそんな気候を感じるEBMだ。
今更ながら聴き返す事の素晴らしさに気が付いた。乾いたエレクトロニック・ボディ・ビートと涼しげなメタル・パーカッションが今の季節によし、オレによし、うんよし。パンコウ、フロントが好きな80年代EBM好きは聴かないと!