Gary Clail's Tackhead Sound System ‎- Tackhead Tape Time

Tackhead Tape Time [ボーナストラック2曲収録・解説付・紙ジャケット仕様・国内盤] (BRC111)

Tackhead Tape Time [ボーナストラック2曲収録・解説付・紙ジャケット仕様・国内盤] (BRC111)

UK出身のゲイリー・クレイルがクラブでMCをする際にタックヘッドの音をバックトラックとして使ったりしていたゲイリーが、タックヘッドのシングルやキース・ルブランの1stソロの音源にエフェクトをかけるなど再加工を施して作った作品。以上全てがゲイリークレイルの1stからの引用文でした。だからこのアーティスト名及び題名なのです。
皆さんON-Uというダブ/レゲエのレーベル所属なのだが、これが自分にはレゲエには聴こえなく、エレクトロニック・ボディ・ミュージックなのだ。いや正確にはボディの連中がON-Uに触発されていると言える。同時期エイドリアン・シャーウッドミニストリー、パンコウ、キャバレー・ヴォルテールなどをプロデュースしていたし、このタックヘッドのメンバー、キース・ルブラン、スキップ・マクドナルドはNINの1stを手がける。あとゲイリー・クレイルFront 242の前座なんかも務めていたらしい。だから互いに影響しあっていた部分もある、というかありすぎ。このアルバムはまんまグレイター・ザン・ワン(後にガバに転向)、パンコウやミニストリー2ndの後半。これはオレの妄想ではなくて日本盤の解説文を読んでもその辺りについての言及があり、当時タックヘッドやゲイリー・クレイルの音楽を(インダストリアルの方の)メタル・ジャンクなどと呼ばれていたらしい。
性急なエレクトロニック・ボディ・ビートになにやらシリアスな雰囲気を持つサンプリングや歪んだ騒音ギター、そしてファンキーベースが絡み、ゲイリーが叫ぶ。よく雑誌でON-Uを評してパンクとレゲエを合体させたと書くけど、それはこのアルバムが表現しているのではないだろうか。あと殆ど後のEBMの下書きを80年代中期に作ってしまったマーク・スチュワートのソロ作品も合わせて紹介したい(ちなみにマークのソロの音は全てタックヘッドのメンバーが作っている)。マーク・スチュワートの80年代の作品はEBM好きは買った方がいい。吃驚したもん。スキニー・パピーやNINの2nd以降が好きな人とか聴いてみると面白いかもしれない。
Wax Trax!やPIASのレーベルから出ていたオールドスクールEBMを思わす出来、その辺を好きする向きは必聴。ぶっ飛ぶで!