Kloq - Begin Again

Begin Again

Begin Again

UKのEBM/インダストリアル系バンドの2nd。
前作ではNitzer Ebbのヴォーカル、ダグラス・マッカシーを迎えて、オールド系EBMを魅せた彼等の新作はEBMから一転してまるで90年代のグラヴィティ・キルズと同時期のプロディジーを足しっぱなしのような内容。1stが好きだった人、違うバンドだと勘違いすると思った。なんで「思った」と書くのかというと自分は1stを聴いてもいないし、買ってもいないから。まぁこのアルバム買った後に1stを試聴したけど。YouTubeメトロポリスの公式アカウントで聴いた時は新人かつデビューアルバムだと思ったし。
でこのアルバム、素晴らしいっすよ。今年のベスト。90年代中期にポスト・インダストリアルというシーンが米国を中心にあったそうなのだが、その中心的存在だったグラヴィティ・キルズを思い出した。このポスト・インダストリアルというのはNINの2ndの盛り上がりから生まれたシーンで、平たく言えばNINの眷属。インダストリアルにテクノやロックをぶち込んだある種のミクチャー・ロックではあるがエレクトロニック要素の方が強い(個人的な私見なのでこのジャンルについては間違っているかもしれない。なにせ後追いですからw)。でこのアルバムは当時NIN眷属バンドでありながら、どのバンドよりも陰気ではなかったバンドwいくつかのPVではキーボード担当がプロディジーのウィリアム・ハウレットみたいな姿勢で激しく鍵盤を叩いていた。それは今挙げたプロディジーの影響も音のほうでも見られ、インダストリアルでありながらUKのテクノやトランス、果ては(当時の)流行りブレイクビーツまで取り入れていた。
このアルバムは先に書いた、グラヴィティ・キルズの紹介で済んでしまう。このバンドの連中が幾つかは知らないけど、自分と年があんまり変わらないのではないだろうか?自分が小学生の時に聴いていた(というか兄に(部屋が一緒なので嫌でも)聴かされていた)、デジタル・ロックやロッキンなブレイクビーツが血肉になっているな。とそう感じた。お薦め。