Psychopomps - Best of

Best of

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デンマークのエレクトロ・インダストリアル/ロックバンドのベスト盤。
このバンド、1stはレザー・ストリップのクラウス・ラールセンをPに迎えての超ダーク感バリバリのインダストリアル・スラッシュを作り上げた。1st以降はラールセンは関わっていないが、その雰囲気を受け継ぎ、何か日本人には理解できない欧州的な業の深さやゴシック漂う暗黒インダストリアル・スラッシュを作り続け、3枚目でミニストリーの4thをハードコア・テクノ、ガバ、トランス化したような物凄いアルバムを出すがそれ以降はアコースティック感を出した落ち着いたロックを奏でるバンドに転向。
でこのベスト盤は「鬼ハードコア」という言葉がハマッてしまう、暗黒インダストリアル・スラッシュ期の音源を編集した盤。シングル曲やアルバムとは違うヴァージョン中心に集められているので彼らのアルバムは全て持っている向き(そんな人間、日本人にいるのか?)も購入すべきだと思った。あとこのベスト盤は彼らのEBMの側面に焦点が当てられていると思った。シングル曲(多分12inchで出していると思う)はダンスビートに重きを置いているせいかEBM。まぁそのボディもニッツアー・エブみたく「健全な肉体に健全な精神」という場所からは程遠い陰気かつ不健全すぎるボディ・ミュージック。この辺はエレクトロニック・ヘルファイア・クラブとかのブラック・メタル風の味付けを施したEBMに近しい。そうだよ!ブラック・メタルだ!先にハードコア・テクノやガバとか挙げたけど、一番近いしいのはブラック・メタルだよ。最初1stを聴いた時はミニストリー的なインダススラッシュだがどこかそれだけでは済まされない部分があるなと気になっていたけど、エレクトリック・ヘルファイア・クラブを出して気が付いた。サイクロン9がブラック・メタルとダークエレクトロを云々なんて00年代後半から騒がれたけど、そんなことはもう90年代初期でやっていたんだ。
という訳で、90年代のクレオパトラ眷属(先に挙げたエレクトリック・ヘルファイア・クラブ、レザーストリップ、アンプスカット、ぺナル・コロニー、スパーン・ランチ等等)のトランス、ハードコアテクノ、ブラック・メタルEBMが好きな向きは買うといいよ。