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Moev - Yeah whatever

カナダのシンセ・ポップバンドの3rd。
このアルバムからスキニー・パピーのレーベル(といっても差し支えないと思う)から出しているのだけれど、スキニーのような壊れても暗黒ポジティヴ・パンクでもない。夜聴くよりも、朝や日の出ている時間に聴きたくなる爽やかなシンセ・ポップ。80年代後半のネオ・アコースティックなイレイジャーのアルバムを思い起こして欲しい。しかしネオアコなギターリフでもビートやシンセ・ベースの音色が硬質でその辺がインダストリアルでありこのレーベルからの発表なんだなぁと思ったりもする。
最近、フールズメイト(以下FM)のバックナンバー(80年代)を読んだり、再発されたデペッシュ・モードのアルバムに付いているドキュメンタリーを観たりして思うのは、80年代後半のEBMシーンというのは世界的なレベルで電子音楽というものが普及したのが解るというジャンルだということ。70年代後半からのニューウェイヴ及びパンクは英国が中心でドイツや日本の一部都市、そして米国のニューヨークといった都市だけが追従する形でなんとか着いていった感、というのが自分の見方としてある。デペッシュのドキュメンタリーを観ると80年代半ばまで米国で売り込みを掛けているのにも関わらず売り上げが今ひとつという状況が続いたが、1988年のアルバムから米国を中心として数百万枚を売り上げるようになってくる。FMでのデペッシュのインタビュを読むと80年代半ばから米国で音楽的な革命が起こったそうで、ハードロック中心だったラジオにエレポップが掛かるという状況に変化していったらしい。でこれはなにも米国に限ったことではないように思われ、EBMの記念碑的コンピ「This is Electronic Body Music」にはクロアチアスロヴェニアといった東欧諸国やベルギー、カナダという国のバンドの曲が収録されている。もちろんMoevも含めて80年代前半から音源を出しているのだが、表舞台に上がってくる、また音質的に向上してくるのは80年代後半からだ。
なんだか80年代後半シーンの(私的な観点だよあくまで、だってその頃はまだ生まれたばかりだし)説明になってしまったが、このアルバムの乾いてて爽やかネオアコ的でインダストリアルなエレポップは陰気な英国音楽家には作れないアルバムだと思った。お薦め。