Death Grips - No Love Deep Web

No Love Deep Web

No Love Deep Web

アメリカのヒップホップ系バンドの2nd。
このアルバムは2年前に既に先行で落とすことが出来て、自分も去年の初めに落としてi-podに入れてガンガンに決めていたんだが、去年の晩秋にCD発売されて物体でも欲しかったので購入。
このアルバムを端的に表すとポスト「テクノアニマル」。最近流行のEDM紛いのブロステップとは意に反するデジタルベースラインが不健全に歪むブロステップ。
テクノアニマルはゴッドフレッシュによる別プロジェクトで後期ゴッドフレッシュやリミックス盤で聴けたような、より実験的でハードコアなダブエレクトロを追求していた。でここで挙げたいのがデス・グリップスの下書きになったであろうアルバム「Brotherhood of the Bomb」。このアルバムは2001年のあの事件で世界がきな臭くなっていた月に出されたアルバムだが、そんな状況に同期しながらもその後のブロステップの糧になるようなアルバムだった。日本の盤のライナーに書かれているケヴィンの言葉を引用すると。
「進歩的な視点でヒップホップに取り組みたかったんだ。ここ数年のアンダーグラウンド・ヒップホップは停滞気味になっている。それに最近のエレクトロニック・ミュージックは、どんどんミクロな方向性に向かっているし、銀行員がラップトップに向き合っているようなサウンドなんだ(笑)。俺らはそれに退屈してたのさ。俺らがこのアルバムを制作したとき、全てのものと全ての人間にムカついている時期だった。結構非社会的な気持だったんだよ。その結果、すごく攻撃的なアルバムになったんだ」
まるでミニストリーの転換となった「Land of Rape & Honey」後のアルのようなことを言うケヴィンだが、その言を上まるミニストリーの3rd同様、その圧倒的な自分は音にただ立ちすくしかなかったし、その影響下にあるとおぼしき本エントリで紹介するアルバムが出てくるのだ。またこれがケヴィンの中で突如として浮上するものではなく、既に90年代初期にメタルリフの下にエリックB&ラキムのブレイクビーツを流すような音源を製作してたらしい。
かようなテクノ・アニマル的ダブエレクトロ・ハードコア音が炸裂するデス・グリップスの2ndは自分が待ち焦がれていた音。超お薦め。色んな場所で「無料で落とせる」ので興味のある向きは検索&入手して欲しい。