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Invincible Spirit ‎- Can Sex Be Sin


ドイツのEBMグループの3rd。
90年代に入り、EBM系バンドが次々と転向。ある者はメタルに、ある者はテクノに、またある者は90年代半ばまで隠遁を決め込みサイケデリック・トランスの隆盛と共に穴倉から飛び出してくる。
かように転向組みが目立つインダストリアル/EBMシーンだったが、一部グループは変節することなくエレボディを追及していって現在に至る。そんな人達を一挙に集めたのがレーベルでいうとZoth Ommogやクレオパトラ、オフビートだろう。またそして今現在でそれらを引き継いだのがアルファ・マトリックスメトロポリス、アウト・オブ・ラインではないだろうか。
ここで「変節することなく」と前述したが、80年代後半のエレボディと90年代以降のエレボディでは聴こえが違っている。よりトランシーによりゴシックになっていくというのが大きな印象としてある。それとメタルだろう。80年代後半のベルギーやドイツ、イタリアの一部を中心としたニュービートやエレボディの枠に入れるには少々難があったスキニー・パピースタイルの音が90年代以降のインダストリアルでは主流になっていく。シカゴの暗黒アシッド・ハウスと欧州産EBMが交配したニュービート、顔面白塗りポジティヴ・パンクの佇まいやTGに代表されるちょっと危ない香りのするノイズ・インダストリアルを受け継ぐスキニー・パピー。
このアルバムだってそうだ。トランシーでゴスを塗した90年代のエレボディ。フロント242が持っていたクラフトワーク十八番である叙情的トランス・ミュージックのみを抽出してさらに濃くしポジティヴ・パンクと融合させた90年代以降のエレボディ。90年代半ばに現れるサイケデリック・トランスまたはゴアがジャーマン・トランスと共に回収した音がこのアルバムには満載にぎっしりと詰まっている。お薦め。