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And One - Anguish

Anguish

Anguish

ドイツのEBM系バンドの1st。
80年代後半から活動している古参の1stは当時最先端(笑い)のエレボディです。節々にFront 242、ニッツアー・エブ、ディー・クルップス、ミニストリーが聴こえてきます。オリジナリティ?そんなモンはとーの昔に捨ててきたよ、知らねぇよ、マジで。という事を言いたくなる出来だが、このバンド、そんな数々の音を参照しながらも、独自としか聴こえない音楽を未だに作っている恐ろしきバンド。
というか3rd〜5thまでのデペッシュ・モードと形容すればいいのだろうか、インダストリアルで耽美、そしてどこかユーモラスな雰囲気。漆黒で哀愁で泣かせながらも、最後は笑顔で終わってしまうような……そんなアルバムを毎回作っていたりする。計り知れない。
でもこの1stは現在のノリとは趣が異なっている。現在の彼らが哀愁濃いポップス寄りなのに対して前述した通り純粋な(?)エレボディ。ミニストリーの3rd後半で魅せた不穏エレボディにトランシーなフロント242が混じったような、(リアルタイムで経験していないのでこう表すのは適当ではないがあえて)当時でいうとZoth Ommog辺りのニュー・ビートを思い起こさせる。
ニュー・ビートはエレボディからの派生ジャンルだが、このニュービートのダーク……いや違うな、妙に持っていかれる感じ、今までみたことが無い様な風景が目を瞑ると見えてくる。アメリカ的でもなくUK的でもない、これがベルギーというなんの(あるジャンルにおいて)音楽的な歴史を持たない国から産まれてくるのは必然なのかもしれない。こういうのを好む自分というのは所謂一般的な「洋楽」とやらは好きではないのだなと実感する。ちなみにニュービートは後にハードコア・テクノ、ジャーマン・トランス、そしてサイケデリック・トランスへと発展していく。
当時の数多いエレボディを参照としながらも、Zoth Ommog辺りの金属的インダストリアル色強い「ニュービート」を感じるアルバム。勿論そこにデペッシュ・モードな哀愁も加わってくるからオモロい。お薦め。