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Pankow - Freiheit Fuer Die Sklaven


イタリアのEBMグループの1st。
全面エイドリアン・シャーウッドプロデュースというエレボディ好きの心にアクセス殺到の布陣だが、そこはイタリアン。他のエレボディ系とは趣が違い過ぎる世界観を魅せてくれる。
話が冒頭のエイドリアン・シャーウッドに戻るが、この人、白人なのに単身でジャマイカに乗り込んだり、ニューエイジ・オブ・ステッパーズというバンドを組み、果てはON-Uというレーベルまで立ち上げる。そして「単身でジャマイカ」という話が物語るようにダブやレゲエにずっぽし。しかしイギリス人の血が邪魔するのか、パンキッシュなダブは正にニューウェイヴ・ダブ。目新しい物好きが彼にリミックスを頼み、ズタズタに解体させられるという、時代の先を行ってたが、その手法が80年代後半の所謂エレクトロニック・ボディ・ミュージックで完成を魅せる。
このパンコウことイタロ連中がエイドリアン・シャーウッドに頼んだのは前年にミニストリーキャバレー・ヴォルテールのプロデュースしたからだろうが、ミニストリー、キャブスとはまた違った面を魅せてくれる。一聴きでは本当にエイドリアン・シャーウッドが参加しているの?と思う出来で、ON-Uの音源を聴いていると全てエイドリアン・シャーウッドが手がけているような感じを受けてしまうことがあるが(それが魅力のひとつでもあるけど)、それに飲み込まれることがない彼らの音楽性は初期から強固なものだと感じさせてくれる。
しかし同時に聴きこむに内に、これはやっぱりエイドリアン・シャーウッドとしか言えないような音にも仕上がっている。当時のタックヘッド、ミニストリーの2ndで聴けたハードコア・ダブ、エイドリアン・シャーウッド言うとこの「ノイズ・テロリズム」が食あたりを起こすほどに満載に詰まっている。が何か隠せないイタロ的雰囲気が出てしまい、イタロ・ディスコやデア・プランにも通じる田舎臭さや朴訥、そして素っ頓狂な面で「ノイズ・テロリズム」がドリフ風「ノイズ・テロリズム」になってしまう。これはイタロ・ホラー、ルチオ・フルチの映画を観ているような……と言えば解る人には解るかもしれない。
エイドリアン・シャーウッドをプロデューサーに迎えて「ノイズ・テロリズム」を目指すが、朴訥、牧歌的エレボディに。太陽がギンギンに照った日にピザをつまみにワインでも飲みながら、聴けばパンコウのエレボディがもっと素晴らしく聴こえるのではないかな?お薦め。