Die Warzau - Big Electric Metal Bass Face

Big Electric Metal Bass Face

Big Electric Metal Bass Face

アメリカのEBM系バンドの2nd。
ジェフ・ミルズがいたファイナル・カット、Wax Trax!でNINフォロワー的インダストリアル・ロックを鳴らしていたシスター・マシーンガン、(米国の)ポスト・インダストリアルの中心的だったスタッビング・ウェストワード等などの面子がいて、あの恐怖のワード「EBM/インダストリアルのスーパーバンドに当たりなし」が脳裏に通り過ぎる。が、そんなことを忘れさせてくれるアルバムに仕上がっている(でも世間的には大不評でかなり叩かれてマス)。
で、コレが「でじたる・ふぁんき〜」なのですよ!リヴォルティング・コックスの後継者といったとこでしょうか。
愚直なまでにインダストリアルかつふぁんき〜な音作りで「こころピョンピョン」しちゃいますわね実際。前作がNitzer Ebbもどきのハードロッキンなエレボディから一転してファンクネスのみに一点を集中するという素晴らしさ。あと当時、というか3rdを発表したミニストリー、アルの「ハウス・ミュージックは唾棄すべき」発言からクラブシーンとは袂をわかったが、このバンドはそんなミニストリーの「トゥイッチ」にあったハウス・ミュージックをも継承している部分もまた素晴らしい。曲名とともにBPMの表示があるから、それは明白でしょう。DJ諸氏に使って貰いたいという表れ他ない。今からすると思いもしないだろうが、普通にEBMとかかかってたらしいからね。フロント242の「ヘッド・ハンター」とか相当ヒットしてたみたいね。まぁ彼らの地元「シカゴ」は「ハウス・ミュージック」発祥の地であり、米国にしては(ニューヨークを除いて)珍しくハウス・シーンが盛り上がっていた場所というのが大きいのだろうね。だってアル曰くラジオをつけると「ハウスが鳴ってくる」らしいから(それにうんざりしたアルはメタルを取り入れる)。
そう考えていくと、このバンドはEBM系でも珍しい存在なのかもしれない。同じようなバンドを挙げるとマイ・ライフ・ウィズ・スリル・キルカルトぐらいしか思い浮かばない。多くのEBMバンドが自分たちのことを「ロックバンド」で「ディスコ音楽じゃないンだ!」とし、1990年代に入ると(ミニストリーを手本にして)「メタル」化していったことを見ると。
リヴコのインダストリアル・でじたるふぁんき〜と(彼ら)地元シカゴの土着性が交差するエレクトロニック・ボディ・ミュージックにしてハウス・ミュージックな「踊れるロック(笑い)」。お薦め。