BRAIN DRIVE - 完全驚異

完全驚異

完全驚異

日本のエレクトロバンドの1st。
「エレクトリック・ボディ・ビート」を宣言したSoft Ballet以外にも当時幾つか打ち込みバンドがいたようで「XEO Invitation」というビクター内に設けたレーベルがその発信源になってたみたい。自分は持ってないけど「Dance 2 Noise」っていうコンピに纏められてるそうです。電気グルーヴだけでは無くて日本にもこういうバンドいたのですよ!まぁ、それを知ったのはここ5年位ですけどwあはは。日本の情報ってなかなか掴み辛いし、自分の音楽遍歴から微妙に外れていて知らなかったり。
それは何故かと言うと、ソフト・バレエもそうだけど、テクノの本流から微妙に外れているため、と自分の音楽遍歴から見るとそう表わすしかない。自分は勿論1990年代初期はまだ物心がついてないし、積極的に収集し始めた頃に読んでた音楽雑誌は「ele-king」、「リミックス」だったりする。その二つの雑誌で何が特集されていたというと「エレクトロ(クラッシュ)」、「ブレイクビーツ」でそこに前述した「XEO Invitation」のバンド群なんて一行も存在していなかった。
でも聴いてる人達は存在していて、それを見ることが出来たのがネットだった。ちょっと話は変わるが、自分がインダストリアル、EBMに興味というよりそのジャンル自体を知ったのがネットだった。それまで自分の中の電子音楽といえば「ハードミニマル」、「デトロイト・テクノ」、「ハード・ハウス」、「ジャングル」、「ブレイクコア」、「エレクトロニカ」だったが、それとは別の流れがあることを知ることが出来たと思う。それがインダストリアルでEBMだった。当時(2000年代中盤)からミニマルハウス、ミニマルテクノと呼ばれるBPMを落として上物がアンビエントっぽい緩やかですました音楽が流行って来ていた。自分はその流れにいまいち乗ることができず、ガバ、シュランツのパーティーに通ってたりした。でもガバ、シュランツはハードコア過ぎて家や普段の生活で聴くのはちょっと……という趣。だから今でもガバ周辺は碌にアーティスト名とかレーベルとか全く知らなかったりする。
そんなところに入ってきたのがインダストリアル、EBMだったように今となっては思う。殆どその時点のメディア上では知ることが出来ない情報がネットに幾つも転がっていた。また動画サイトが登場したことも拍車をかけたと思う。
このブレイン・ドライヴは端的に表すとWax Trax!型のエレボディだろう。フロント242、リヴォルティング・コックス、KMFDM、PIG等の。ダンサブルなデジタル・ビートに(サンプリング)ギター、デジタル・リフ、ヴォーカルが疾走する。ネット周りを見渡すとソフト・バレエとの類似性や二番煎じをと言う向きがいるが、前述した通りWax Trax!色が濃く、ポジティヴ・パンクを祖にするソフト・バレエとは音楽的な意味で異なっている。それはロック的なものだと思われる。NWを聴いた時も思ったがこのEBMはロック的な色が強いエレクトロニック音楽でありながら。それは石野卓球さんが「ボディ・ミュージックの連中は音楽的に言えば、基本的な部分でロックなんだ。シンセサイザーハード・ロック的展開」と語るように。
フロント242、リヴォルティング・コックス、KMFDM、PIG等のWax Trax!型のエレボディを好きな向き(オレだよオレ)には胸を張ってブリッジする程にお薦めしたい一枚。