Psychick Warriors Ov Gaia – Psychick Rhythms Vol. 1

Psychick Rhythms 1

Psychick Rhythms 1

オランダのテクノグループのEP。
ゴア、サイケデリック・トランスの先駆けみたいなトライバル調のトランス。1980年代後半に台頭していたEBM専門のレーベルで日本の2ndコミュニケーションが居たことで(一部に)有名。1990年代に入るとインダストリアル・メタルを出しつつも徐々にトランスに移るのだが、このグループはその筆頭だろう。
ココで面白いのがベルギー、ドイツにあったEBM系のレーベルは台頭していた当時よりエレボディから少し外れたような音源も出していたのだが、その音源とやらが後のトランス……というよりゴア、サイケ・トランスの範疇に収まってしまうものがあったりする。実際にサイケ・トランスのアーティストなりになった人も大勢いる。ジュノ・リアクターとかね。この辺りはネットも無い時代だし、DJ達や雑誌媒体が語らなかったりで見えてこなかったりするので今後のアーカイブ化に期待したい。遺跡発掘みたいな驚きに満ちてますねEBM周辺は。
しかし、このアルバム出た当時はどういう扱いだったのだろうか?トランスが隆盛していたが、ジュノ・リアクターの1stのライナーを読んだりするとサイケ・トランスなどというカテゴリがまだ無くやはり「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」または「ニュービート」と呼ばれていた時代だ。しかもレーベルがKKレコーズ。ムスリムガーゼと同じように扱われていたと考えるのが最適だと思える。
ここでムスリムガーゼを挙げたが、このアーティストもまたゴア、サイケ・トランスの祖とするのが正しい音源を既に1980年代半ばより作り上げていた一人で、他にも23 Skidoo、エスプレンダー・ゲオメトリコ(の一部)、アンビエント寄りだがヴァジリスクなども挙げることが出来るだろう。
後のサイケデリック・トランス、ゴア、果てはハードミニマルにも発展する前段階のような音源が満載。EBM、ニュービート、サイケ・トランス、ゴアが交差する時……。お薦め。