The Young Gods – The Young Gods

YOUNG GODS

YOUNG GODS

スイスのインダストリアル・ロックバンドの1st+1987年のライヴ盤が付いたリマスタ盤。いつの間にか出てました。2ndも出てるかもしれないな。
1986年のミニストリー「トゥイッチ」などを発端とする所謂「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」の一つとして捉えられていたバンド……。だが、呪術的なリズムはどちらかと言うとスワンズ直系。というかロリ・モシマンがPちゃん&エンジニアで当時(1987年)の雑誌(フールズ・メイト誌)を読むと「ワイズブラッド(ジム・フィータスとロリ・モシマンのプロジェクト)の変名か?」などと書いてあることからもそれは解るだろう。
しかしながら、このバンドが面白いところはサンプリング主体の音作りだと思う。鉄槌感と呪術的なメタル・ヘヴィ・ビートはスワンズのそれだが、上物にサンプリングから成るメタリックなギター、ノイジーなメロディ、朴訥としたシンセ、そしてマイケル・ギラと間違えるようなヴォーカルが絡んだり疾走したりする。この音作りはミニストリーとは異なった「インダストリアル・メタル」と呼んでもいいのかもしれない。
しかしながらミニストリーほどの売り上げを記録することが出来ずいまいち知名度が無かったりするのはスワンズの名前が邪魔しているとしか思えない。オルタナに入れられてしまうというか……。あとミニストリーほどの邪悪さが感じられない点にもあるのかもしれない。朴訥としている趣が……。
とはいえ、爽やかかつジャーマン・ロックにも通じるサイケデリックさと疾走感は思いの外気持ちが良かったりする。お薦め。