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Suicide Commando – Critical Stage

ベルギーEBM/インダストリアル系アーティストの2nd。
ヴェルヴェット・アシッド・クライスト、アンプスカット、そしてこのアーティストなどなど挙げるだけで浮かぶのは米国はシカゴを拠点としたレーベル「メトロポリス」。つまるところ「ダークエレクトロ」なわけ。「ダークエレクトロ」が何時頃から台頭して来たのか?というのは日本語で読める情報が殆どないし雑誌なりの媒体が取り上げようともしなかったりしてここ日本ではアンダー・グラウンドなわけ。でも聴いてる人は(自分も含めて)それなりに居たりするわけ。ゴシック系のパーリーではガンガンなわけ。
「ダークエレクトロ」の源流はやはり1980年代中期からのデペッシュ・モード、それにスキニー・パピーだろう。前者はニュー・ロマンティックスにある暗さとゴスをエレクトロニクスで表現することにこだわったバンドであり、後者は前者の要素を加味しながらSPKといったインダストリアルと結びつけたハードコアなバンドだった。
しかし上流であるバンド達は1990年代も半ばになるとよりオルタナティヴ・ロック方面に行ったり失速していった。そして、このエントリで紹介するのは上流から中流へと下ったことを示すアーティストだろう。デペッシュ・モード、スキニー・パピー共にクラブ的な音楽とは距離を置いていたがぎりぎりな部分でダンサブルさを魅せて数多のDJ達のセットリストに紛れ込んでいた。しかし中流まで降りると水も濁り川幅も広がるように、ディストーションをスキニー・パピーより過剰にかまして澱ませ、キックはガバまではいかないがノイジーで野太く厚い。酩酊感のあるぐにょぐにょとしたメロディも乗ってくる。
また以前、サイケデリック・トランスはEBMが源ということを書いたが、このジャンルを聴けば納得せざる得ないと思う。聴く人によってはこの手のジャンルはサイケトランスだと思ってしまうだろう。この時代まで来るとEBM、サイケトランスの位置は曖昧になってきていることが解る。実際パーリーに行くとジュノ・リアクターがかかってたりするのでより一層差異がないことを感じてしまう。
おそらくダークエレクトロ黎明期のアルバムだが、ハードコアに疾走していく様や酩酊感と漆黒さ、そして哀愁感じる旋律はこれからの時期にハマるだろう。お薦め。