アーバン・ダンス - UDクロニクル

UDクロニクル

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(帯より)関西のエレクトロニック・ポップユニット、4-Dで活躍していたトリオがYMO高橋幸宏をPちゃんに迎えてのバンドのミニアルバム、1st、その他、全てを網羅した完全リマスタ盤。二枚組。
このバンドは1985年から活動しているようで、当時はポストYMOみたいな所謂「テクノ・ポップ」的な扱いを受けていたよう。だが聴いてみるとその後のEBMや同時期のインダストリアルに通じるものを感じる。確かにPが高橋さんだからメロディや歌詞がYMOしているが、それは後期YMO(BGMやテクノデリック辺り)にあったダークで病的なノリが強い。そこにコニー・プランクPもの、DAF、ベルフェゴーレ、プレイデッド、トミー・シュタンプなんかのNDWやポジティヴ・パンクやフィータスのビート・インダストリアルが挟み込まれている。
特に「セラミック・ラヴ」は後期YMOリエゾン・ダンジェルーズが融合している名曲だろう。病的なダークさとEBMの祖とも呼ばれている(当時はNDW(ドイツのニューウェイヴ)と呼ばれていた)リエゾンの直線的でドライヴする硬質なデジタル・ビートが妖しくも疾走感がある。その他の曲もフィータス、ノイバウテンを思わすダンサブルなメタル・パーカッションに戦争音(銃声、映画からのサンプリングだと思われる軍事訓練における掛け声)を鳴らすなど、これが数年後にデビューしたのなら確実にフロント242やニッツアー・エブ、ミニストリーと同じ棚に収まっていたのが想像するのに難しくないだろう。
日本におけるプレEBM、ビート・インダストリアル。ソフト・バレエが好きな向きにもお薦めしたい二枚組。