Armageddon Dildos – Speed

Speed

Speed

ドイツのインダストリアル・ロック/EBMデュオの4th。
この二人組、初期はZoth Ommogのニッツアー・エブみたいなボディを演っていたのだけれど、当時のシーンを追従する形でインダストリアル・ロックへと以降。だがそこはそれ、ナイン・インチ・ネイルズとは数光年離れたインダストリアル・ロックを展開。
この作品は移行二作目なのだが、前作とは全く違ってるから驚き。前作のインダスロックと初期のエレボディのりが融合している疾走感に溢れたアルバム。しかもレーベルがZoth Ommogなのかは知らないがトランスのりも有り、もう米国のそれとは趣が異なりすぎてて面白い。どちらかというと、Cubanate、Coptic Rain、OOMPH!、Templebeatらを輩出したDynamicaの音に近い。1990年代前半から半ばにかけてのサイケデリック・トランスやゴア・トランスをインダストリアル・ロック(メタル)に注入したその音は米国のナイン・インチ・ネイルズとは違っていた。スラッシュ・ギターやエフェクトかませたダミ声ヴォーカルが入ったトランスと表せばいいのかもしれない前衛的かつ刺激的な音。それはこの頃にサイケデリック・トランス(ゴア・トランス)のアーティストにリミックスさせたキリング・ジョークにも近いのかもしれない。また哀愁あるメロディは後のフューチャー・ポップにも通じるだろう。
Dynamicaに代表されるトランシーかつサイバーなインダストリアル・ロックが好きな向きにはお薦めしたい一枚。