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:Wumpscut: – Bunkertor 7

Bunker Gate Seven

Bunker Gate Seven

ドイツのエレクトロ・インダストリアルアーティストの3rd。
ユース・コードの新譜を聴いて思い出した一枚。久しぶりに聴いてその凄さに驚いてしまった。
このアルバム……というかこのアーティストは端的に表すと「ダーク・エレクトロ」。エレクトロと言っても黒人音楽のそれではなくてスキニー・パピー由来のそれ。超暗黒電子音楽ってわけだ。
ここでスキニー・パピーを紹介すると1980年代初期から活動を始めているカナダの大御所バンド。元々YMOやデビット・シルビアンを好むエレクトロ・ポップを演っていた彼らだが、ある日を境にポーション・コントロールやキャバレー・ヴォルテールのようなインダストリアルを奏でたくなったそう。だからスキニーの初期はポーション・コントロールやキャブスまんまの曲が多い。そこから彼ら独特ともいえる音を確立し始めたのは2nd辺りだと思われる。Adrian Sherwoodがミキシングで参加している2曲で明らかに彼らの次が見えるだろう。マーク・スチュワートのソロを聴けば解ると思うが、ズタズタに切り貼りされて歪んだ音にはインダストリアルを感じざるえない。レゲエを基にするダヴはレゲエのインダストリアル的側面だったのかもしれない。
そんなスキニーも1990年代に入るとメンバーの死去により失速していく。で代わりに現れたのが「ダーク・エレクトロ」。スキニー由来の暗黒インダストリアル・ハードコアを基にして当時欧州や日本を席巻していたトランスを融合させて極北ともいえるハードコア・インダストリアルだ。同時期にはデジタル・ハードコアといったジャンルが存在したが、このダークエレクトロが奏でる酩酊感や陶酔感、果ての哀愁はトランスを取り込まなければ鳴らない音だ。またスキニー・パピーの暗黒ゴシックも足されている点で同じハードコアでもデジタル・ハードコアとは趣が明らかに違っている。
同じような音を鳴らすアーティストやバンドはごまんといるがよりノイズ・インダストリアルに傾いた点でこのアーティストは凄さを魅せつけている。ちょうお薦め。